こんばんは。サンゲンです。夢幻紳士シリーズについて語ります。
第一回目は『夢幻紳士 マンガ少年版』
撃つと動く!という、今の時代の人にはサッパリ(と言うか私もサッパリ)おもしろさが伝わらないが癖になる…ってことも無いフレーズが印象的。
そもそも夢幻紳士って?
雑に説明します。

《新装版》夢幻紳士〈マンガ少年版〉 (ソノラマコミック文庫)
- 作者: 高橋葉介
- 出版社/メーカー: 朝日ソノラマ
- 発売日: 2006/12/13
- メディア: コミック
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高橋葉介先生が現在も描いている怪奇漫画。もはやライフワーク。
今は新装版が大体出ています。…本当にいい時代が来たものです。はまった時に全然無くて探しまくって集めたのはいい思い出。
主に戦前の日本を舞台に、少年・青年探偵(この探偵設定、まるで生かされてないけど困った時?にはこの設定で話が進む。自分で『少年探偵夢幻紳士だ!』と名乗った事もある)の夢幻魔実也が、怪奇的な出来事にひたすら出会う。
夢幻は霊力がバリ強いのでほぼ負け無し。解決。青年版はたまに美人とか未亡人とか熟女をごちそうさま。
主人公の夢幻はシリーズによって年齢・設定が違います。
主人公…夢幻魔実也
一応、探偵を自称している。紳士と言うだけあって、黒スーツがトレードマーク。
黒いマントと魔法使いの帽子(山高帽)を装備することもある。長めの黒髪でとても美形。
ええい!詳しくはこちらで。
高橋葉介先生の夢幻紳士、シリーズをざっと説明
〈結構過去の作品〉
■『マンガ少年版』
■『冒険活劇篇』
■『OVA』…これはニコ動にあって感激した。テーマ音楽は秀逸。戸田恵子さんが声当ててる…!漫画じゃないですが一応入れておきます。
■『怪奇篇』
■『夢幻外伝』
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〈最近の作品〉
■『幻想篇』『逢魔篇』『迷宮篇』
■『回帰篇』
■『学校怪談』…ゲストでごくたまに登場。
このあたりが一応、夢幻紳士の核となるシリーズです。
他にも近年の短編とか色々あるのですがそれはウィキ見て下さい。
え、なんか多い。興味はあるけど、どれから見れば良いの?
「最近の作品から読んだらいいのかな…???分からない。大きいサイズのコミックスが本屋にあったし、試しに買ってみようかな…」
と言う方、ちょっと待って下さい!!
私が個人的に初読みにおすすめするのは、今回のタイトルにある『マンガ少年版』です!
物語の完成度で言ったら、夢幻が青年バージョンな怪奇篇とかが一番だと思いますが…、まず初めにマンガ少年版を読めば間違いない!
何が間違いないのかというと。
漫画少年版の画風・作風が好きになれたら、あなたは間違いなくハマれる。
と言う、試金石的な感じだと思うのです。
発表も1982年とかなり前なので、絵柄も今とは若干…いや結構タッチが違います。
むしろ今より繊細で書き込み凄い。とても白黒の画面が綺麗。
筆の違いとか、あえて変えている部分もあるそうですが…。初期の絵柄は、本当に少年の夢幻が可愛い。
一冊に纏まってて読みやすいと言う事もあり、とってもおすすめです。
あ、同じ少年ぐらいの年齢設定でも、『冒険活劇篇』はぜったい初めに読んではいけません。
なんせ、スチャラカ篇と言われるくらいにはっちゃけてますから…。
いきなり読んだら、夢幻紳士に対するちょっとおかしな?ある意味正しいイメージが付くこと請け合い。
別に、何から読むかなんて、その方の自由ですが…やっぱり、導入は格好いい夢幻紳士がいいと思います。
その点で行けば、ピカイチイケメン度を誇る『怪奇篇』でも良いのですが…私は夢幻紳士、と言うシリーズの基本テイストが一番出ているのが、このマンガ少年版だと思います。
まあ、一番古いから当然と言えば当然かもしれないですが。
マンガ少年版を言葉で表すなら。
怪奇、魔都、事件
そんな感じです。推理はしません。犯人は、実はもうつかまえてあるのです。
事件に無意味な猟奇テイストがあるのもうれしい。あんまり怖くない。
ちなみにこの猟奇テイストは怪奇篇、夢幻外伝ごろになると→心霊テイストに変わっていきます。
そして現在は→幻想テイスト?
私はたまたま、マンガ少年版から手に取りました。
怪奇篇を探してたんですけど、結果的に凄く良かったと思います。短編も狂ったように集めてしまった…。
もし他のシリーズを始めに見てたら、どうだったんだろう…、ここまで好きになったかな?
やはり夢幻紳士シリーズに対する印象がちょっと違ったのでは無いかと。
折角なので、一話ごとの感想。
※朝日ソノラマ版です。あれ…画像…。
■絵物語・遊鬼塔の怪人
巻頭にいきなり絵本風の物語。小説&イラストという感じ。
多分、昔っぽい雰囲気を出したいと言う狙い??
この遊鬼塔ってネーミングは良いと思う。内容も活劇っぽくて結構好き。
■顔泥棒
記念すべき第一話。そんなに怖くない内容のハズなのに、絵柄にとても新鮮味があるせいか怖く感じる。ブラックユーモア的。
表紙が何気なく格好いい。点描とか。
■使い魔の壺
杏仁はかわいい。高橋先生の描く少女の基本パターンの顔。かわいい。
少年の魔実也はとてもおちゃめ。
■青蛇夫人
短めの話。悪い夫人モノ。
私は猫夫人の方が好みかな。あの少し細い感じが良い…。
■夢幻少女
この回のヒロイン桜子は、めっっっっちゃかわいい!杏仁もいいけど。
那由子くらいかわいい。幸薄いの好き。
■案山子亭
私がマンガ少年版でたぶん一番気に入ってる話。
筋とか舞台設定とか訳わからないけど、とても夢幻紳士してる。あの馬のへたり方は何か衝撃だった。むしろ何で馬に乗ってるの?そういう表現を含め、とても漫画らしい話。
『いや、日本人だ』
と魔実也が堂々と言うコマでいつも「あれ!?日本人だったの…?」と衝撃を受けてしまう。…日本人ってこれでよかったっけ?何か違わない??
食事してる所とか、ベッドで寝るとき顔に帽子のせるとか。そういう些細な描写がとても好き。さりげない工夫?で難を逃れるのもいいと思う。
■亜里子の館
この回はコスチュームが珍しい。掲載雑誌が違うせいなのか眉毛太め。
表紙のアリスはかわいい。本編中の亜里子はたくましい。
その他一緒に入ってる話
■アン
『アン』はいつ読んでも、とてもクレイジーでカッ飛んでる。
■クレイジー・アン
うん、クレイジー。
スプラッタぽいけど、絵柄のおかげでグロすぎずに読めていい。
■骨
この女性、ちょくちょく出てくるような気がする…。 再録とかで見慣れたせいかな?
ちょっと怖い話。
ちなみに、夢幻紳士シリーズで私が一番好きなのは、夢幻外伝の夢幻さんだったりします。微妙に生活感があるのがいい。また夢幻外伝について記事にするときに書きます。
夢幻の好き順だと…
『夢幻外伝』→『幻想篇』→『マンガ少年版』『逢魔篇』→『冒険活劇篇』
→『怪奇篇』『煙童女』の夢幻さん→『学校怪談』→『回帰篇』『迷宮篇』
という感じかな。※順番付けましたがどれも同じくらい好きです。
あ、短めでも、一応全話に感想書こうと思います。
と、こんな感じで。気になった方は買ってみて下さい。
マンガ少年版は一冊で済むので楽です。
…好きになってしまったら全部集める事になると思いますが…。
ああもう短編一話ごとについても語りたい。
またいつか②書くと思います。次は…冒険活劇篇かな。